高速道路ゴシックの歴史
「公団文字」とは
1963年(昭和38年)の名神高速道路開通時、日本には市販のフォントセットがほとんど流通していませんでした。そのため、当時の日本道路公団の関係者が、標識に必要な文字を一つ一つ手作業で制作しました。これが「公団文字」「公団ゴシック」と呼ばれる書体の始まりです。
標識の文字は120m手前で読めることが基準とされ、文字の大きさはドイツのアウトバーンにならって高さ50cmに決められました。すべての画を等幅の直線で描くデザインは、文字を描くのに反射材テープを用いていたことに由来します。
しかし2010年7月、NEXCOの技術基準改訂により、標識の書体はヒラギノ角ゴシック・新ゴ等に変更されることが決定。掛け替えの標識から順次置き換えられ、「公団文字」は徐々にその姿を消しつつあります。
制作のきっかけ
「だれかが作ってくれることを5年ぐらい期待していたのですが、だれも作ってくれないので、自分で作ることにしました。」
— pumpCurry、2005年2月9日 プロジェクト開始時の記述
2000年頃から「誰かがフォント化してくれるのでは」と期待していたものの、実現されることはなく、2005年2月9日、ついに自らプロジェクトを開始。高速道路の案内標識を現地取材し、一文字ずつその字体の特徴を解析・トレースしてフォント化する作業が始まりました。1文字につき1時間弱、複雑な文字は数日かけて制作。標識に存在しない文字については、既存の偏旁を組み合わせて新たに制作しています。
約4〜12文字ごとにアップデートを繰り返し、2013年時点で1,893文字を収録。JIS第1水準の完全制覇を目標に、現在も開発が続けられています。
メディア掲載
| 年月 | メディア | 内容 |
|---|---|---|
| 2008年7月 | NHK BS2 | 「熱中時間〜忙中"趣味"あり〜」高速道路フォント熱中人として出演 |
| 2009年 | デイリーポータルZ | 「高速道路フォントめぐり」取材同行 |
| 2010年9月 | NHK BS | 「熱中スタジアム」ハイウェイテーマで出演 |
| 2013年 | 土木学会 | GD-高速道路ゴシックJA作者として講演 |
| 2014年8月 | ZIP-FM | ラジオ出演 |
| — | 窓の杜 | 「GD-高速道路ゴシックJA」ソフトライブラリ掲載 |
NHK「熱中時間」出演時の写真
2008年7月1日放送のNHK BS2「熱中時間〜忙中"趣味"あり〜」に「高速道路フォント熱中人」として出演。番組では等身大の高速道路標識セットが制作されました。
収録後に持ち帰った1/4スケール標識模型(自宅保管中)
「原寸高速道路標識模型、もってかえってもいいのよ☆」とスタッフの方に強くおススメされましたが、我が家の4畳半床面積よりもデカいことが発覚し断念
— 等身大セット前での写真を見る(X)
開発タイムライン
| 日付 | バージョン | 備考 |
|---|---|---|
| 2005/02/09 | — | プロジェクト開始 |
| 2009/04/15 | Rev.099β | 初の公開リリース |
| 2009/06/07 | Rev.100β2 | OTF版公開 |
| 2009/06/08 | Rev.100β2 | TTF版公開 |
| 2009/06/13 | Rev.101β | OTF版 |
| 2009/12/07 | Rev.102β | OTF版 |
| 2009/12/27 | Rev.103β | OTF版 |
| 2010/03/21 | Rev.104β | OTF版、JIS第1水準折り返し |
| 2010/05/26 | Rev.105β | OTF版 |
| 2010/06/07 | Rev.106β | OTF版 |
| 2010/10/17 | Rev.106β | TTF版公開 |
| 2011/05/05 | Rev.107β | OTF版 |
| 2011/06/27 | Rev.108β | OTF版・TTF版同時公開 |
| 2012/05/07 | Rev.109β | OTF版 |
| 2013/03/31 | Rev.111β | OTF版、1,893文字収録 |
| 2017/05/17 | Rev.112β2 | OTF版(現在の最新版) |
| 2025年 | — | 制作再開を発表 |
※ 旧公式サイト(hogera.com/pcb/font/ → 現 542.jp/font/)の更新履歴に基づく記録です。